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お隣の思い出

我が家を建ててもうすぐ10年になります。
我が家が建ってしばらくすると隣に一軒のお店が作られ始めました。
レンガや石でモザイク模様の敷石をつくり、トレリスをつくり、様々な形、様々な色合いの緑の木々が運ばれてきます。
植木屋さんでもなく、山野草のお店でもない・・・言ってみればお庭の設計、施工のお仕事なのですが、それは素敵な緑の回廊のご提案でした。
山小屋風の小さなオフィスの屋根には苔のような水草、通路には水路も組み込まれていて、絶えず優しい水の音が聞こえます。
鎌柄、やぶれ笠、ぎぼうしや山紫陽花など、そこにはご主人の趣味にあった植物だけが並びます。
売り物だと思わせずに、
「うちのお庭にこれを連れて帰りたい!」
と思わせる心憎い演出に感激しては1つ、2つと買い求めました。
シンボルツリーは高さが10m近くもある菩提樹で、晴れた日にはサワサワと葉を揺らし、雨の日には濡れた葉を輝かせ、毎朝朝食のテーブルを整える私に挨拶してくれているようでした。
訳あってほんの3~4年でお店を閉められ、100mほど離れた一角に新しくオフィスを構えられましたが、平日はお休みで週末のみの営業になったせいか、すっかり足が遠のいてしまいました。
でも小葉うちわかえで、箱根山椒バラ、広葉つりばな等々、数えてみるとかなりの樹木がうちの住人になってくれていて、今日も木漏れ日の陰影を作ってくれています。

